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衛星通信

通信へ影響を与える要因

電離層

電離層は、周波数の低い電波を反射してしまうため、衛星通信に使用する周波数は電離層で反射されない高い周波数を使用します。電離層(電離圏)の影響は周波数が低いほど大きく、VHF帯(30-300MHz)以上では減衰の影響を殆ど受けないため、衛星通信ではUHF帯(300MHz-3GHz)、SHF帯(3-30GHz)、EHF帯(30-300GHz)が使われています。

なお、GPS等の測位衛星で使用する電波はレンジング(電波の伝搬時間を精密に測定し距離を測る)に使用するため、電離層を通る際の電波伝搬遅延が問題となります。

対流圏

対流圏では、降雨減衰、大気吸収といった影響が衛星通信で使用する周波数におよびます。

参考資料

  1. 電子情報通信学会「知識の森」4群-2編-11章「電波伝搬」
  2. 「電離圏による衛星通信の影響」(NICT 2009)
  3. 「衛星通信の電波伝搬研究 1980年代~私の研究原点」(唐沢氏、電子情報通信学会A・P研特別講演 2015-10-22)

通信

通信の用途

衛星通信は、主に地上通信では届かない遠距離間の通信に使われます。通信は特定の場所に設置される固定局、移動先あるいは移動しながら通信する移動局があります。

  • 船舶の通信
  • 航空機の通信
  • TV中継車両の通信
  • 離島との通信
  • 放送系の通信
  • 災害時等に臨時に設置される可搬局の通信
  • 地上回線が使えない時のバックアップとしての通信

変復調方式

  • BPSK(Binary Phase-Shift Keying)
  • QPSK(Quadra Phase-Shift Keying)
  • 8PSK
  • 16APSK
  • 32APSK
  • 64APSK
  • 64QAM

誤り訂正(FEC)方式

伝送方式(伝送路符号化)

ISDB-S

BSデジタル放送 TC8PSK トレリス2/3 リードソロモン
CS110デジタル放送 QPSK 畳み込み3/4 リードソロモン

DVB

欧州デジタルテレビ放送の標準規格。

  • DVB1-S QPSKとMPEG-2
  • DVB-S2  8PSKとH.264/MPEG-4
  • DVB-S2X 16APSKとH.265/HEVC

1 Digital Video Broadcasting

CS124/128デジタル放送 DVB-S2 8PSK LDPC3/5 BCH

IDR

IESS-308 QPSK 畳み込みビタビ 3/4

IBS

インテルサット?

衛星通信事例

J-ALERT

全国瞬時警報システム。国から地方自治体へ緊急事態を一斉に送信する通信システム。

SuperBird B3(SuperBird-8)
Kuバンド SCPC回線 BPSK FEC1/2
一斉同報

インマルサット

イリジウム

BS/CS放送

参考資料

"MIL-STD-188-165B Interoperability of Superhigh Frequency(SHF) Satellite Communications Phase-Shift Keying(PSK) Modems"
電子情報通信学会「知識ベース」2019 5群-7編 1章 衛星通信サービス


ほぼ3年前に更新