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NetBeans ルック・アンド・フィールとカラースキームとフォント(Windows)

ねこび~ん

Windows上でNetBeansを動かすと、外観部分にいくつか手を入れたくなる点があります。

たとえば、MSゴシック、MS明朝が使われ、埋め込みビットマップフォントで描かれるので汚く見えるとか、背景が白基調で輝度が高く長時間プログラミングすると目に負担がかかるなどです。また、お気に入りの画像を背景に表示するとプログラミングが通常の3倍捗るという人もいるかと思います。

そこで、全体をアウトラインフォントにする、背景を暗い色基調にして目にやさしくする、背景に画像を表示する、といった設定を行います。

ルック・アンド・フィールとフォント

デフォルトのルック・アンド・フィールとフォント

Windows 7 OS上へNetBeansをインストールして起動したときの表示を次の画面に示します(画面をクリックすると拡大表示します)。

default_appearance-1.png

NetBeansは、Javaで記述されたアプリケーションプログラムで、GUIにはSwingが使われています。Windows上でNetBeansを実行したときのSwingのデフォルト・ルック・アンド・フィールはWindows Look and Feelが使われます。

Windows 7の設定で「ウィンドウの色とデザイン」からメニューなどをメイリオに設定することで、NetBeansのメニュー表示(上記画面キャプチャの青枠部分)は「メイリオ」フォントで表示されますが、それ以外のほとんどの箇所(上記画面キャプチャの赤枠部分)では「MS ゴシック」フォントと一部「MS 明朝」フォントが使われています。メイリオフォントはアンチエイリアスが効いてギザギザが目立ちませんが、MS ゴシック/MS 明朝フォントはアンチエイリアスが効かずギザギザな表示となっており、ボールド体(太字)については悲惨な表示になっています。

同じTrueTypeフォントにもかかわらず、「メイリオ」フォントがアンチエイリアス表示となり、「MS ゴシック」や「MS 明朝」フォントはアンチエイリアス表示となりません。その理由は、「MS ゴシック」と「MS 明朝」フォントには埋め込みビットマップフォントが含まれていて、表示する文字の大きさが8ポイント~16ポイントの場合TrueTypeフォント(アウトライン)データではなく埋め込みビットマップフォントデータを使って表示され、ビットマップフォントはアンチエイリアスが効かないためです。

Nimbusルック・アンド・フィールとフォント

ルック・アンド・フィールを変更するとフォント設定もそれに合わせて変化します。そこで、ルック・アンド・フィールを変えてみることにします。

[ツール]メニュー > [オプション] で「オプション」ダイアログを開き、[外観]ボタンを押し、[ルック・アンド・フィール]タブを選択します。

option_lookandfeel-1.png

[優先ルック・アンド・フィール]ドロップダウンリストから、[Nimbus]を選択します。

NetBeansを再起動すると、Nimbusルック・アンド・フィールで起動します。次の画面に示します。

default_appearance-2.png

プロジェクトペイン、ナビゲータペインやタブにおいて、英字フォントはアウトライン表示されるようになりましたが、こんどはメニューを含めてほかはビットマップ表示されています。先ほどのWindowsルック・アンド・フィールは、メニュー表示のフォントをOSの設定から取得してくるので、OS側の設定でメニュー表示フォントをメイリオに設定しておくとメイリオが使用されました。Nimbusルック・アンド・フィールはOSの設定は使わないため、Windows版のJava SEのフォント設定(MS ゴシック)が使用されています。

FlatLafルック・アンド・フィールとフォント

NetBeans IDE 11.3から、新しいルック・アンド・フィール「FlatLaf Light」および「FlatLaf Dark」が搭載されました。

[Tools]メニュー > [Options]で「Options」ダイアログを開き、[Appearance]ボタンを押し、[Look and Feel]タブを選択します。

options_lookandfeel-2.png

[Preferred look and feel]ドロップダウンリストから、[FlatLaf Dark]を選択します。

NetBeans 11.3は日本語リソースが未反映(?)でメニューなどは英語表記のため、日本語フォントのアウトライン表示有無が分かりません。そこで、@junichi11さんの 非公式日本語化モジュール を入れて日本語表示の確認をします。

flatlaf_dark_appearance-1.png

エディタ編集領域、出力領域はビットマップフォントとなっていますが、メニューやプロジェクトペインの表示はアウトラインフォントとなっています。

エディタ編集領域と出力領域のフォント設定は、#NetBeansの設定でフォントを変更するを参照

フォント設定

NetBeansの設定でフォントを変更する

エディタ編集領域、出力領域はNetBeansの設定で変更することができます。

エディタ編集領域のフォント設定

  • [ツール]メニュー > [オプション]で「オプション」画面を開く
  • [フォントと色]ボタンを押し、[構文]タブで[カテゴリ]欄を[デフォルト]選択で[フォント]欄からアウトライン等幅フォント(例:Myrica M)を指定

出力領域のフォント設定

  • [ツール]メニュー > [オプション]で「オプション」画面を開く
  • [その他]ボタンを押し、[出力]タブで[フォント]欄からアウトライン等幅フォント(例:Myrica M)を指定

NetBeansを動かすJavaVMのフォント設定を変更する

冒頭に述べたように、NetBeansはJavaで作られたアプリケーションで、GUIはSwingを使っています。Windows版のJava SEでは、デフォルトのフォント設定にMSゴシックやMS明朝が指定されています。
これを別なフォント(例えばメイリオ)に変更することでフォントの見栄えをよくします。

フォント設定は、JDK 8の場合、%JAVA_HOM%\jre\lib\fontconfig.properties、JREの場合、%JRE_HOME%lib\fontconfig.propertiesに記述します。
例)C:\Program Files\Java\jdk1.8.0\jre\lib\fontconfig.properties

JDK 11の場合、%JAVA_HOME%\lib\fontconfig.properties に記述します。

デフォルトの設定は、fontconfig.properties.srcに書かれているので、これをfontconfig.propertiesに変更し修正します。
修正内容は次に示します。

fontconfig.properties.srcからの修正点を表示する

修正のポイントは次のとおりです。

  • MSゴシックをメイリオUIフォントに変更
  • MS明朝をIPAex明朝1に変更
  • Courier NewをConsolasに変更
    • 等幅(monospaced)の表示設定では英字をConsolasで、日本語をメイリオUIで表示させるために優先順位を変更
  • メイリオUI、Consolas、IPAex明朝のフォントファイルを指定

この設定後、NetBeansを起動すると次の画面になります。

fontmodified_nimbus_appearance-1.png

1 IPAex明朝はWindows に標準搭載されていないので別途IPAexフォントダウンロードページ から入手しインストールします。

Javaのフォント設定ファイルサンプル

以下に、Windows版Java SEのデフォルトフォント設定から変更したものをいくつか用意しました。
<JDKインストールディレクトリ>\jre\lib\ ディレクトリの下にfontconfig.propertiesのファイル名で保存してください。

  • fontconfig.properties.meiryoui_consolas
    MS ゴシックの替わりにMeiryo UIを、等幅にCourier Newの替わりにConsolasを使用、等幅では英語フォントを優先するように変更したファイルです。
  • fontconfig.properties.meiryoui_consolas_ipaexmimcho
    MS ゴシックの替わりにMeiryo UIを、MS 明朝の替わりにIPAex明朝、等幅にCourier Newの替わりにConsolasを使用、等幅では英語フォントを優先するように変更したファイルです。
  • fontconfig.properties.yugothicui_yumincho_consolas
    MS ゴシックの替わりに游ゴシック UIを、MS 明朝の替わりに游明朝、等幅にCourier Newの替わりにConsolasを使用、等幅では英語フォントを優先するように変更したファイルです。

Windows 10で游ゴシックおよび游明朝を設定してみた

Windows 10にJDK 8u60を入れて、NetBeans 8.1 RC2をDarkテーマプラグイン(Dark Nimbus)で立ち上げた際のフォント設定とその画面を次に示します。

  • 和文に、Yu GothicとYu Mincho
    行間があいてしまってプログラミングには不向きです。

consolas_yugothic_yumincho-1.png

  • 和文に、Yu Gothic UIとYu Mincho
    まずまずな感じです。

consolas_yugothicui_yumincho-1.png

現在、游ゴシックおよび游明朝がWindows 7、8向けにダウンロード提供されていますので、Windows 7以上であれば游ゴシックおよび游明朝を使う設定が可能です。
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49114

ダークテーマへの変更

長時間ディスプレイ作業をする場合、デフォルトのテーマである白ベースの表示よりも、暗色ベースの表示の方が目が疲れにくいかもしれません。
NetBeansの標準プラグインサイトには、2つのダーク系ルックアンドフィールが提供されています。

  • Dark Look And Feel Themes
  • Darcula LAF for NetBeans

Dark Look And Feel Themes

NetBeansの全体を暗い背景とするためのプラグイン「Dark Look And Feel Themes」が用意されています。
[ツール]メニュー > [プラグイン]を実行し、「プラグイン」ダイアログを表示し、[使用可能なプラグイン]タブを選択します。
リストの中に、"Dark Look And Feel Themes"を見つけ、チェックを付けます。次の画面に示します。

plugin_darklaft-1.png

[インストール]ボタンを押すとプラグインのインストールが始まります。
インストールが完了するとIDEを再起動するか選択を聞かれるので、ここでは再起動をします。

dark_plugin_appearance-1.png

このルックアンドフィールは、Dark Metalと呼ばれるものです。Dark Look And Feel Themesプラグインには2つのルックアンドフィールが格納されています。一つがDark Metalで、もう一つはDark Nimbusです。Dark Nimbusに切り替える場合は、[ツール]メニュー > [オプション] > [外観]ボタン > [ルック・アンド・フィール]タブを選択し、優先ルック・アンド・フィールから"Dark Nimbus"を選択します。

option_lookandfeel-2.png

Dark Nimbusルックアンドフィールを選択し再起動すると反映されます。次に画面を示します。

dark_plugin_appearance-2.png

注)Nimbusルック・アンド・フィールのスクロールバーのバグ

JDK 8u60で入り込んだバグで、スクロールバーのノブが消失する現象があります。Dark Nimbusルック・アンド・フィールにしたときに、このバグに影響されることがあります。

JDK 8u66以降でFixされています。

Darcula LAF for NetBeans

Javaの商用統合開発環境IntelliJ IDEAのダークテーマに似せたDarcula LAF for NetBeansがプラグインとして公開されています。
[ツール]メニュー > [プラグイン]を実行し、「プラグイン」ダイアログを表示し、[使用可能なプラグイン]タブを選択します。
リストの中に、"Darcula LAF for NetBeans"を見つけ、チェックを付けます。

Dark Look and Feelは青みがありますが、Darculaはほぼ黒系です。

darcula_plugin_appearance-1.png

  • エディタペインの背景画像は後述のitaeditorプラグインを使って表示させています。

背景に画像を表示する

NetBeansの編集パネルの背景に画像を表示するプラグイン「ItaEditor」があります。
http://wintermaples.hateblo.jp/entry/2016/02/14/042710

上述ページからnbmファイルをダウンロードします。2016-2-17時点ではwintermaples-itaeditor-1.1.2.nbmとなります。
[ツール]メニュー > [プラグイン] > [ダウンロード済]タブ > [プラグインの追加]ボタンでこのファイルを選択し、インストール欄にチェックが付いているのを確認し[インストール]ボタンを押します。

インストールが完了したら、[ツール]メニュー > [オプション] > [外観] > [背景画像]タブを選択します。

plugin_itaeditor-setting-2.png

背景画像URIに、画像ファイルへのパスをURI形式で記述します。
Windows OSの場合、ファイルへのパスは、file:/C:/Users/torutk/Pictures/PowerToolsRender_small.png のように記述します。

画像

Javaのマスコットキャラクター「Duke」
https://duke.kenai.com/

ja.NetBeans.orgのマスコットキャラクター「ねこび~ん」
https://ja.netbeans.org/nekobean/

トラブルシュート

ItaEditorプラグインをインストールした後にDarcula LAF for NetBeansプラグインを入れたときに、設定画面の背景色がDarculaとは違って白地になることがありました。先にDarculaをインストールした後にItaEditorを入れたときは問題なく表示できていました。


約4年前に更新