ArcGIS Runtime¶
ArcGIS for Desktop、for Serverなどの機能を実現するArcObjects(Microsoft COMベースのライブラリ集)とは別に、機能を絞って新たに開発されたライブラリがArcGIS Runtimeです。モバイル端末(Android、iOSなど)やデスクトップ・組込み(Silverlight、WPF、Qt、Java)用のアプリケーションを主な対象としています。
ArcGIS Runtime一覧¶
- ArcGIS Runtime SDK for Java
- ArcGIS Runtime SDK for Android
- ArcGIS Runtime SDK for iOS
- ArcGIS Runtime SDK for OS X
- ArcGIS Runtime SDK for Qt
- ArcGIS Runtime SDK for WPF
- ArcGIS Runtime SDK for .NET
ライセンス¶
ArcGIS Runtime SDKの開発に必要なライセンスは、無償の"ArcGIS for Developers"登録をすれば入手できます。
ArcGIS Runtime SDKを用いて開発したアプリケーションの配布には、別途配布用ライセンスが必要です。
開発ライセンス¶
ESRIジャパンFAQより引用
ArcGIS for Developers開発者アカウントに登録すれば無償で開発および評価することができます。
配布ライセンス¶
配布ライセンスには次の種類があります。
- Basic配布ライセンス
無償、ただしローカルデータ、高度なGISの解析機能は利用できない - Standard配布ライセンス
有償、 - エクステンション配布ライセンス
有償、Standard配布ライセンスに追加して高度なジオプロセシングツールを実行可能とする- Spatial Analyst
- 3D Analyst
- Network Analyst
Standard配布ライセンスは、アプリケーションプログラムごとに必要なので1台のマシンで異なる複数のArcGIS Runtimeアプリケーションを動かすなら3ライセンス必要となります。
製品動向¶
バージョンとリリース時期¶
リリース | Java | WPF | .NET | Qt | OS X | iOS | Android | Xamarin |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012-06 | 1.0 | 1.0 | ||||||
2013-01 | 10.1.1 | 10.1.1 | ||||||
2013-11 | 10.2 | 10.2 | 10.2 | |||||
2014-03 | 10.2.2 | 10.2.2 | ||||||
2014-04 | ↓ | ↓ | 10.2.3 | 10.2.3 | 10.2.3 | |||
2014-05 | 10.2.3 | 10.2.3 | beta | ↓ | ↓ | ↓ | ||
2014-10 | 10.2.4 | ↓ | beta | 10.2.4 | 10.2.4 | 10.2.4 | ||
2015-01 | ↓ | 10.2.5 | ↓ | 10.2.5 | ||||
2015-02 | ↓ | 廃止 | 10.2.5 | 10.2.5 | ↓ | |||
2015-05 | ↓ | ↓ | ↓ | 10.2.6 | ||||
2015-06 | ↓ | ↓ | 10.2.6 | 10.2.6.1/2 | ||||
2015-07 | ↓ | 10.2.6 | ↓ | ↓ | ||||
2015-10 | ↓ | ↓ | ↓ | 10.2.7 | ||||
2016-02 | ↓ | 10.2.7 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
- 10.2.1は欠番
ArcGIS Runtime SDK for WPFの今後¶
現在リリースされているArcGIS Runtime SDK for WPFは、製品の見直しが行われ、Windows Storeアプリケーション、Windows Phoneアプリケーション、そしてWindows Desktopアプリケーションの3つを作成できるArcGIS Runtime SDK for .NETとして製品化されました。APIも異なっているようです。
http://blogs.esri.com/esri/arcgis/2013/07/05/the-history-and-future-of-the-arcgis-sdks-for-net/
ESRIジャパンのArcGISブログでも言及があります。
http://blog.esrij.com/arcgisblog/2014/04/windows-arcgis--873b.html
ArcObjectsとArcGIS Runtimeの使い分け¶
http://blogs.esri.com/esri/arcgis/2012/12/07/arcobjects-or-runtime-sdk/
- Javaで開発するなら、ArcGIS Runtime SDK for Javaがよい感じです。
- .NETで開発するなら、アプリケーションが必要とする機能によりけりです。
- 3D可視化はRuntimeでは
不可次バージョンで搭載(現行機能でRuntimeに3D Analystはあるけれど解析機能のみ利用可) - ジオデータベースの管理や複雑なフィーチャを扱いたければArcObjectsが最適、Runtimeはジオデータベースの読み込みは全機能対応だが編集・更新はシンプルフィーチャのみ対応
- 地図編集やカートグラフィック機能を持たせるならArcObjects
- エクステンションの充実はArcObjects
- 3D可視化はRuntimeでは
ArcGIS Runtimeアプリケーション用ローカルパッケージの作成¶
ArcGIS Runtimeアプリケーションがローカルの地図データを使用する場合、次の形式のファイルを用意する必要があります。
- マップパッケージ(.mpk)
- タイルパッケージ(.tpk)
- ジオプロセッシングパッケージ(.gpk)
これらは、ArcGIS for Desktopで作成することができます。