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TAI(国際原子時)

NICTの日本標準時グループの公開サイトより

■国際原子時(TAI)
 原子時計によって刻まれる時系を原子時と呼びます。
 1958年1月1日0時において、世界時UT2と原点を一致させ、国際原子時(TAI)がスタートしました。
 国際原子時(TAI)は、世界中の原子時計の時刻を加重平均することによって決定されます。

1977年に、これまでの原子時計の進み方が国際単位系(SI)の1秒の定義(セシウム133の原始の基底状態の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射の9192631770周期の継続時間)よりも速く進んでいることからTAIの進み方を修正しています。

UTC(Universal time coordinate:協定世界時)

TAIは原子時計に基づき更新されますが、日常的に使う時刻は太陽の動きに関わっています。そこで、原子時計のTAIを天文学的な世界時(UT)に準拠するよう調整した時刻系を協定世界時(UTC)としています。地球の自転速度の変化に応じて、世界協定時(UTC)に1秒の挿入・削除をして世界時(UT1)との差が0.9秒以内になるよう調整した時刻です。この1秒が閏秒と呼ばれます。

1972年1月1日、TAIに対して初期オフセット10秒を加算して、以降適宜閏秒を調整しています。

UT(世界時)

地球の回転観測から決定されている時刻で、UT0、UT1、UT2があります。

NICT 周波数標準グループ用語集 https://www2.nict.go.jp/sts/afs/Reference-Glossary.html より引用

UT0: 観測地点における地方平均太陽時を天体観測に基づいて計算された世界時。地軸にぶれがあり天文台の経度と緯度が変わるため、観測地点ごとにUT0は少しずつずれる。
UT1: 地球の自転軸は極運動が原因で変化するため、天文台の緯度と経度が変わってしまう。この自転軸の変動を補正したものがUT1と呼ばれる。 UT1は地球上の場所によらず、どこでも一定である。
UT2: UT1に地球の自転速度の季節変動を補正した値。現在は使われていない。

GPS時刻

米国海軍天文台によって管理されている、GPS衛星とGPS地上系の原子時計により管理された時刻系で、1980年1月6日0時を起点としています。GPS時刻はUTC(USNO)と微小時間以内で同期しているが、うるう秒の処理は含まれていません。

UNIX時刻

UTCの1970年1月1日00:00:00からの経過秒数で、閏秒を考慮せず、1日を86400秒として刻む時刻です。

UTCのエポック(起点)は、1972年1月1日00:00:00でTAIに対して-10秒ですが、UNIX時刻はこれを1970年1月1日00:00:00に遡って起点としています。TAIに対する差異はUTCの起点における-10秒です。

  • 確認中
    UNIX timeでは、うるう秒発生時、どのように秒を刻むのか?
    • Webで見かける記事では、うるう秒のときはUNIX timeスタンプが直前の秒と同じ値となる例が紹介
参考記事

https://www.janog.gr.jp/meeting/janog43/application/files/4215/4935/2725/JANOG43_SEIKO_r3.pdf

秒の定義

NICTの日本標準時グループの公開サイトより

1秒の長さの定義は、かつては地球の自転や公転 に基づいた天文学からの定義が採用されていました が、1967年に原子放射の周波数に基づく量子力学か らの定義に改定されました。
その定義は「セシウム133原子の基底状態の2つの 超微細準位間の遷移に対応する放射の9,192,631,770 周期の継続時間」となっています。

UTCの閏秒

No. 日時 調整値 TAIとの差異(UTC-TAI)[秒]
0 1972-01-01 00:00:00 TAI+10秒で運用開始 -10
1 1972-06-30 23:59:60 +1秒 -11
2 1972-12-31 23:59:60 +1秒 -12
3 1973-12-31 23:59:60 +1秒 -13
4 1974-12-31 23:59:60 +1秒 -14
5 1975-12-31 23:59:60 +1秒 -15
6 1976-12-31 23:59:60 +1秒 -16
7 1977-12-31 23:59:60 +1秒 -17
8 1978-12-31 23:59:60 +1秒 -18
9 1979-12-31 23:59:60 +1秒 -19
10 1981-06-30 23:59:60 +1秒 -20
11 1982-06-30 23:59:60 +1秒 -21
12 1983-06-30 23:59:60 +1秒 -22
13 1985-06-30 23:59:60 +1秒 -23
14 1987-12-31 23:59:60 +1秒 -24
15 1989-12-31 23:59:60 +1秒 -25
16 1990-12-31 23:59:60 +1秒 -26
17 1992-06-30 23:59:60 +1秒 -27
18 1993-06-30 23:59:60 +1秒 -28
19 1994-06-30 23:59:60 +1秒 -29
20 1995-12-31 23:59:60 +1秒 -30
21 1997-06-30 23:59:60 +1秒 -31
22 1998-12-31 23:59:60 +1秒 -32
23 2005-12-31 23:59:60 +1秒 -33
24 2008-12-31 23:59:60 +1秒 -34
25 2012-06-30 23:59:00 +1秒 -35
26 2015-06-30 23:59:60 +1秒 -36
27 2016-12-31 23:59:60 +1秒 -37

今後のうるう秒の調整

2022-11-18に、国際度量衡局(BIPM)会議で、うるう秒廃止を決定し、2035年までに実施することになりました。
ただし、他の手段によるUTCの調整が行われることは含みがあるようです。

時刻系の間の差異

UTC、GPS、TAIの時刻差は2023年9月時点で次です。

TAI = UTC + 37秒
GPS = UTC + 18秒
UNIX time = UTC + 27秒
UTC = TAI - 37秒
UTC = GPS - 18秒
UTC = UNIX time - 27秒

TAIは原子時計により決められた時刻なので、地球の自転(=太陽の動き)とは連動せずに進みます。日常生活では、太陽の動きと時刻(ローカル時刻)が密接に関係するので、地球の自転から決まる世界時(UT1)に1秒未満で一致させるため、TAIに時折うるう秒を挿入・削除したUTCが定義されています。

計算機の時刻の扱い

UNIX(Linux) OS

NTPを使用

NTPで時刻を取得し、それをシステムクロックに反映します。うるう秒はNTPから配信されます。

RedHat/SUSE

/etc/localtime が、/user/share/zoneinfoの中にあるタイムゾーン情報のファイルにリンクされています。


7ヶ月前に更新