プロジェクト

全般

プロフィール

QGIS

QGISについて

地球上の位置に関係するデータである地理空間情報を扱う地理情報システム GIS(Geographical Information System)のツールで、デスクトップアプリケーションとして動作します。QGIS.org によりオープンソースソフトウェアとして開発、GPL v2ライセンスで提供され、無償で利用できます。

インストール

Windows OSへのインストール

オンラインインストーラ、オフラインインストーラが提供されています。
https://qgis.org/download/

オフラインインストーラーは1GB以上のサイズで結構ダウンロードに時間がかかります。

macOSへのインストール

2025年8月時点では、Apple Silicon対応のQGISは、MacPorts経由でインストールする必要があります。QGIS公式インストーラーは、Intel版 mac用に作られているので、Apple Silicon上ではRosetta 2を使ってIntelコードをARMコードに変換しつつ実行することになります。

地図データ

地図データ(GISデータ)は、大きくベクターとラスターの2つの形式に分類されます。
ベクター形式は、データを点(Point)、線(Line)、面(Polygon)として保持、データに属性情報を持たせることができます。
ラスター形式は、グリッドデータ(格子状に均一に並んでいるデータで、例えば画像)です。

基盤地図情報数値標高モデル

日本地図データ 標高

数値標高モデルはJPGIS GML形式(XML)で提供されており、直接QGISにインポートすることはできません。そこで、別ツールでGEO TIFF形式に変換するか、JPGIS GML形式を読み込むプラグインを使用します。

プラグイン QuickDEM4JP

QGISは、基盤地図情報の数値標高モデルを直接読み込むことはできません。株式会社MIERUNE が提供するプラグイン QuickDME4JP をインストールすると数値標高モデルのファイルを読み込むことができます。

[プラグイン]メニュー > [プラグインの管理とインストール] で、QuickDEM4JPを検索して選択し、[インストール]をクリックします。

インストール完了すると、QGISのツールバーに QuickDEM4JPアイコンが追加されます。

数値標高モデルをダウンロードしたJPGIS GMLを含むzipファイルを読み込むことができます。
QuickDEM4JPアイコンをクリックし、DEM項目で読み込むJPGIS GMLファイルを指定、座標参照系にJGD2000など(最新はJGD2011)、GeoTiffの出力先のファイル名を指定してGeoTiffを生成、アルゴリズムの終了後に出力ファイルを開くをチェックして[実行]をクリックします。

実行すると、レイヤーが追加されます。

同様に、他のDEMファイルを読み込むとレイヤが追加されていきます。

座標系

GISで扱う座標系は、次の2つに大別されます。

  • 地理座標系
  • 投影座標系

地理座標系

緯度・経度で地球表面上の地理情報を表現する座標系です。地理情報の位置(緯度・経度)を測量するときの基準とする地球楕円体(準拠楕円体)が異なると、同じ地理情報でも緯度・経度が異なります。日本は現在、「日本測地系2024」(JGD2024)を採用しています。これは世界測地系のGRS80楕円体をを使用しており、WGS84とほぼ同じ座標系となります。

地理座標系は、地理情報の測量結果を表現するので、緯度・経度を持つ地理情報(地図データ)はそれを測量した地理座標系と組み合わせておくことで、他の地理座標系への変換や東映座標系への変換が可能となります。

QGISでは、取り込んだ地図データ毎に地理座標系を設定します。

投影座標系

地理座標系は準拠楕円体上での緯度・経度で地理情報を表すので、紙や画面などの2次元平面に地図を表現するためには、平面へ投影した座標系が必要になります。
メルカトル図法、ランベルト図法ほか多数の投影座標系があります。3次元上の地理情報を2次元平面に投影するため、なんらかの歪みが生じ、投影法によって不正確となる成分があります。たとえばメルカトル図法は高緯度になるに従い本来よりも面積が大きくなってしまいます。

QGISでは、プロジェクトに投影座標系を設定します。

QGISでの地図表示

QGISは、地図データ(レイヤ)毎にその地図データの緯度・経度を表す地理座標系を持ち、画面に表示する際にプロジェクトが持つ投影座標系にオンザフライで変換しています。

操作

ラスタ

ラスタの結合

結合したいラスタのレイヤが存在している状態で、[ラスタ]メニュー > [Miscellaneous] > [結合 (gdal_merge)] をクリックし、入力レイヤの[…]をクリック、結合したいレイヤにチェックを付け、[◁]で戻り、出力レイヤの[…]をクリックし、[ファイルに保存]をクリックし結合したラスタを保存するファイルパスを指定します。[実行]ボタンをクリックすると結合したラスタのレイヤが生成されます。

陰影図(hillshade)

次の2つの方法があります。

  • ラスタのレイヤのプロパティから、レンダリングタイプを[陰影図(hillshade)]に変更する
  • プロセシングツールのラスタ地形解析 > 陰影図(hillshade)で、陰影図のラスタを生成する

問題解決

GUI

マルチディスプレイで画面が拡大

Windows上でマルチディスプレイ使用時、ディスプレイの拡大率がそれぞれのディスプレイで異なるとき、QGISのウィンドウを別なディスプレイに移動するとGUIが拡大されてしまうことがあります。拡大率150%のディスプレイ上で表示しているQGISウィンドウを拡大率100%のディスプレイに移動すると、Windows OSのスケーリングが影響して拡大表示されてしまいます。

対処として次がありますが、環境によってうまくいかないこともあります。

  • 拡大表示されるディスプレイ上でフルスクリーン(F11)表示して解除
  • ウィンドウを移動するときに、[Win]キー+矢印キーで移動させる

書籍

位置情報を扱う人のための実践QGIS (井口 奏大 著、秀和システム新社 2025年)


23日前に更新