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Java Date and Time API

はじめに

Java Date and Times APIは、Java SE 8から標準化された日時に関する新しいAPIです。それまでのjava.util.Dateクラスおよびjava.util.Calendarクラスを刷新することが目的です。

使い方メモ

ローカルタイムのみを扱う場合

時差や、サマータイム制などを考慮しなくてもいい場合は、LocalDate、LocalTime、またはLocalDateTimeを使って日付、時刻を扱うことができます。

LocalDate

時分秒は含まず日付(年月日)を表現します。誕生日とか記念日、開催日などで時分秒を問わない情報を表現するのに有用です。

生成
LocalDate today = LocalDate.now(); // プログラムを実行した日
LocalDate theDay = LocalDate.of(2016, 1, 6); // 2016年1月6日
LocalDate theOtherDay = LocalDate.of(2015, Month.DECEMBER, 25); // 2015年12月25日、月をenum型で指定

LocalDateはイミュータブルオブジェクトとして設計されています。一度インスタンスを生成したらその値を変えることができません。

年、月、日の値の取り出し
int year = today.getYear();              // 年の値の取り出し
int monthValue = today.getMonthValue();  // 月の値の取り出し
int day = today.getDayOfMonth();         // 日の値の取り出し
Month month = today.getMonth();  // enum型で月を取り出し

2つの日付の間の長さ

期間

年、月、日単位である時刻と別な時刻との間の長さを表すPeriodを使います。

Period period = Period.between(theOtherDay, theDay);
int days = period.getDays();
時間

ある時刻(時分秒)と、別な時刻との間の長さをChronoUnitで表現します。
長さを時間単位で表現する場合は、ChronoUnit.HOURS を使います。

LocalDateTime now = LocalDateTime.now();
LocalDateTime closing = LocalDateTime.of(2016, 1, 9, 23, 59);

long hours = ChronoUnit.HOURS.between(now, closing);

各国で使用する時刻を扱う場合

時刻は、たいてい国ごと、あるいは地域ごとにそれぞれの標準時を定めています。日本であれば、日本標準時がそれにあたります。
UTC(協定世界時)と地方時との時差(オフセット)や、夏時間などの考慮が含まれるタイムゾーンを用いて地域ごとの標準時を扱います。

  • UTCからの時差のみで扱うOffsetDateTime、OffsetTimeクラス
  • タイムゾーンを扱うZonedDateTimeクラス

時差とタイムゾーン

  • 時差とタイムゾーンを扱うZoneIdクラス
  • 時差を扱うZoneOffset

タイムゾーンを扱うZoneIdクラス

tz databaseで扱う地域名/地名でタイムゾーンを表します。
日本標準時のタイムゾーンは、地域名/地名に "Asia/Tokyo"を指定してZonedDateTimeインスタンスを生成します。

var tokyo = ZoneId.of("Asia/Tokyo");
var time = ZonedDateTime.of(2023, 9, 18, 17, 45, 0, tokyo); // 年月日時分秒、ナノ秒とタイムゾーンを指定

日本時間ではサマータイムが今はないので、時差のみを扱うZoneOffsetと大きな差異はありませんが、夏時間を採用している欧米などの時刻を扱うときは、このZoneIdが必要になります。

地域名/地名の指定以外に、3文字のタイムゾーンコード(例:JST、BST、PST)を指定する方法もあります。
var tokyo = ZoneId.of("JST", ZoneId.SHORT_IDS);

時差を扱うZoneOffsetクラス

UTCからの時差のみを扱います。
var tokyo = ZoneOffset.of("+09:00");

UTCそのものを指定する、ZoneOffset.UTCもあります。

OffsetDateTimeクラス

時差を扱う日付時刻クラスです。

ZonedDateTimeクラス

2つの日時の間の長さ

UTCとのオフセットで時刻を扱う場合

UTCとの時刻差を考慮した時刻を扱う場合に、OffsetDateTime、OffsetTimeクラスが使えます。

Instantクラス

時刻系の上の単一点を表現します。
エポック(1970-01-01T00:00:00Z)を起点とする経過秒数と、ナノ秒を保持します。UTC時刻とほぼ同じとなります。

使用例

  • 今の瞬間の Instant 生成
    Instant.now()
  • テキスト文字から Instant 生成
    Instant.parse("2023-09-17T09:00:00Z")
  • LocalDateTimeから Instant 生成
    LocalDateTimeはUTCに対するオフセット情報を持たないので、変換メソッドにゾーンオフセットを追加指定します。
    var now = LocalDateTime.now();
    var instant = now.toInstant(ZoneOffset.of("+09:00"));
    

APIの実装

Instant

Instant.now

Instant.now()
  Cloclk.systemUTC()
    new SystemClock(ZoneOffset.UTC)    
    SystemClock#instant()
      SystemClock#millis()
        System.currentTimeMillis()  *1
      Instant.ofEpochMillis(*1)
        Math.floorDiv  *2
        Math.floorMod  *3
        Instant#create(*2, *3)
          new Instant(*2, *3)

LocalTime

LocalTime.now

LocalTime.now()
  Clock.systemDefaultZone()
    ZoneId.systemDefault()
      TimeZone.getDefault()
        TimeZone.getDefaultRf()
        Timezone#clone()
      TimeZone#toZoneId()
        ZoneId.of(*, ZoneId.SHORT_IDS)
    new SystemClock(*)
  LocalTime.now(*)
    Clock.system(*)
      new SystemClock(*)
    LocalTime.now(*)
      Clock#instant()
      Clock#getZone()
      getRules()
      getOffset(*)
      Math.floorMod
      ofNanoOfDay()


2ヶ月前に更新