Python開発環境 Windows¶
Windows OS上でのPython開発環境¶
概要¶
Windows環境でPythonを実行するには、Python実行環境をインストールする必要があります。
Windows環境にPython実行環境をインストールするにはいくつかの方法があります。
- python.orgから提供されるCPythonをインストール
- Microsoft Storeから提供されるPythonをインストール
また、複数のPythonバージョンを併用する手段として
- CPython の python launcher
python.org¶
python.orgからWindows向けのPythonが提供されています。
https://www.python.org/downloads/windows/
大きく、Windows InstallerとEmbeddable packageの2種類となります。Embeddable packageは、Pythonプログラムを組み込んで配布用パッケージを作る目的で提供されているので、開発環境としてはWindows Installerをダウンロードしてインストールします。
デフォルトでは、ユーザー固有(AppData\Local以下)にインストールします。また、インストール時に環境変数PATHを設定するかどうかのオプションがあります。
注)PATHを設定した後も、コマンドプロンプトからpythonを実行すると Microsoft Storeが表示されることがあります。
その場合は、スタート > 設定 > アプリ > アプリの詳細 > アプリ実行エイリアス を開いて、[アプリインストーラー python.exe]と[アプリインストーラー python3.exe]をオフにします。
python launcher¶
python.orgのCPythonで提供される Windows Installerは、マイナーバージョンが異なるPython、例えば v3.8.6とv3.10.2を併用できるように、上書きではなく並行インストールします。複数のPythonをインストールした場合、使用するPythonを python launcherであるpyコマンドで切り替えることができます。
インストールされているPythonバージョン一覧¶
py -0
またはpy --list
でインストールされているPythonのバージョンが一覧表示C:\Users\torutk> py -0 -V:3.12 * Python 3.12 (64-bit) -V:3.8 Python 3.8 (64-bit)
デフォルトのバージョンに *
が付いています。
py --list-paths
でインストールされているPythonのパスが一覧表示C:\Users\torutk> py --list-paths -V:3.12 * C:\Users\torutk\AppData\Local\Programs\Python\Python312\python.exe -V:3.8 C:\Users\torutk\AppData\Local\Programs\Python\Python38\python.exe
Pythonのバージョン指定した実行¶
C:\Users\torutk> py -3.8 --version Python 3.8.10 C:\Users\torutk> py -3.12 --version Python 3.12.5
メジャーバージョンあるいはマイナーバージョンまで指定してpyコマンドを実行すると、指定したバージョンのpythonが実行されます。
デフォルトのバージョンを変更¶
pyコマンドはデフォルトでインストールされている最新のバージョンのpythonを実行します。
次の方法で、指定したバージョンのpythonをデフォルトとすることができます。
- 環境変数 PY_PYTHON に実行したいバージョンを指定する。例、
set PY_PYTHON=3.8
- INIファイル py.ini に実行したいバージョンを指定する。py.iniは、次のどちらかになります。
- LOCALAPPDATA\py.ini
- py.exeと同じディレクトリ(例:%LOCALAPPDATA%\Programs\Python\Launcher)
[defaults] python=3.8
- シェバンに記述(スクリプトファイルを実行する場合。例:
#! python3.8
)- UNIXと共通化するために、
#! /usr/bin/python3.10
のように記述可能です。Windowsでは/usr/binディレクトリがなくても、python3.10が選択されます。
- UNIXと共通化するために、
Microsoft Store¶
Microsoft StoreからPythonをインストールすることができます。
ストアアプリとしてインストールされ、python launcherがないこと、ディレクトリ・レジストリアクセスが仮想化されるなどの制約があります。
仮想環境¶
venv¶
追加のPythonパッケージをプロジェクト固有の環境にのみ入れたい、Pythonバージョンを固定したいというときに有用です。
venvの環境作成¶
C:\work> mkdir hello C:\work> cd hello C:\work\hello> py -3.12 -m venv venv : C:\work\hello> venv\Scripts\activate (venv) C:\work\hello>
pyランチャーでPythonバージョンを指定して、モジュールvenvを実行、生成する仮想環境ディレクトリ名を指定(例:venv)します。
venvの下には、次のようにディレクトリ・ファイルが生成されます。
venv +- Include +- Lib | +- site-packages | +- pip | +- pip-24.2.dist-info +- Scripts +- activate +- activate.bat +- Activate.ps1 +- deactivate.bat +- pip.exe +- pip3.12.exe +- pip3.exe +- python.exe +- pythonw.exe
activateを実行すると、環境変数PATHにvenv\Scriptsが追加され、pipコマンド、pythonコマンドが使えるようになります。
venvをactivateした状況でpipでインストールすると、venv\Lib\site-packagesの下にインストールされるので、他のプロジェクトに影響を及ぼすことはありません。
Linux環境と違い、venv\Lib\site-packagesの下には実行しているPythonバージョンのディレクトリが生成されませんでした。
venvでpythonバージョンを更新¶
仮想環境を作成後、pythonバージョンを更新したい場合、
(venv) C:\work\hello> deacitvate C:\work\hello> py -3.13 -m venv venv --upgrade